「お金は天下の回りもの」は正しいか


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「お金は天下の回りもの」とインフレーション


「お金は天下の回りもの」という言葉があります。資本主義社会は、お金が循環することで繁栄を続けて行くものです。つまり資本主義社会におけるお金とは、血液に相当するものといえます。よって使ったお金は、巡り巡って自分へと戻るというのがこの言葉の意味合いでもあるわけです。
 お金を使う行為は、モノやサービスなどを販売した側の売上になります。そしてその売上の一部は、販売した側の社員の給与となります。また、利益の一部は税金として国に流れます。国では公共事業投資などによって再び民間企業へとお金を流すことから、さらにその公共事業を受注した会社に入り、その社員の給与へ。さらには社員が消費をすることで、販売業者の売上、そして社員の給与と循環しているわけです。ですから、お金の循環量は、経済発展に大きく貢献しているわけです。
 なお、お金の循環量が増えると、お金自体の価値は低下します。これはあらゆる市場に共通するものといえます。たとえばサンマが豊漁のときには、サンマの価格は低下します。その一方で漁獲量が著しくて以下すればサンマの価格は高騰することになります。これと同様です。好景気の場合、多額のお金が回るので、お金の価値は徐々に下がります。このため、給与や物価、金利などはそれに対応すべく上昇を続けることになります。つまりインフレーションです。経済発展においては、適度なインフレは不可欠です。

デフレーションにおけるお金の流通過程とは


 さて、ところが最近では、お金を使ったとしても、それが巡り巡って自分へと戻ってくる感覚を得ることができません。これはなぜでしょうか。結論から先に申し上げると、市場に巡るお金の量が極端に少ない状態だからです。
 昨今、格差社会が問題視されていますが、格差社会における多数の貧困層は、そもそもお金に余裕がありませんから、お金を使うことができません。また、将来のためにできうる限りお金を貯めておく必要があります。よって消費は限りなく制限されます。
 一方でお金持ちはどうでしょうか。格差社会においては、資産を持つ少数のお金持ちは、資産運用によってお金を増やします。増えた資産の多くは再投資へとまわるため、利益のすべてが消費に回ることはありません。一方で現状の政策においては、お金持ちを優遇する方向へとシフトしていることから、税収入の増額も期待することができません。
 さらには、国が公共投資事業を制限し、なるべくお金を使わない政策を取っていることから、国から市場へのお金の流動もまた縮小傾向にあります。つまり、市場には巡るべきお金が極めて少ない状態であるわけです。
 さて、市場原理として、市場内に流通するものの量がすくなくなれば、その価値は上昇することになります。つまり、お金の価値が上昇しているわけです。お金の価値が上昇すると、お金で買うことのできる商品やサービスの価格は低下します。つまりデフレーション状態となるわけです。
 デフレにおいては、商品価格を簡単に引き上げることはできません。なぜなら、一方的に価格を引き上げると、誰も買ってくれず、売上が極端に減少するからです。価格を上げることができないと、売る側の利益も減少します。すると、社員の給与を引き下げる必要が生じます。また、給与が少なければ、人は消費をできうる限り制限しようとします。するとモノが売れません。さらには、国はしっかりと税金を徴収することができないことから、お金を公共投資などへと予算配分することができません。
 この負のスパイラル状態に、現在の日本は陥っているわけです。そして、だからこそ、使ったお金は再度巡ってくることはなく、「金は天下の回りもの」にはならないというわけです。

あってはならないスタグフレーション


 なお、現在では一部の製品や商品、食材などで徐々に価格上昇を見ることができるようになりました。これをデフレ脱却ととらえる学者もいるようですが、これが経済成長へと結びつくことは難しいといえます。これをご理解いただくためには、対外的な通貨の価値とその変動状況を知っておく必要があります。
 日本の通貨は「円」であるわけですが、ここの所、円は他国通貨に対して下落する傾向にあります。円が下落すると、輸入コストはその分増えることになります。たとえば、これまで1キロあたり100円で購入することができた物資も、円の価値が減少するわけですから、たとえば1キロあたり110円出さなければ買うことができなくなったりするわけです。
 よって、海外から原材料を輸入して商品を製造したり、食品を提供している企業では、その分の値上げをしなければ利益を確保することができません。このため、価格を上昇せざるを得ないわけですが、値上げした分のお金は、結果的に為替差損に消えるため、消費へと転換することはなく、市場にお金が流れ始めることはないわけです。
 つまり、負のスパイラルから抜け出すことなく、物価が上昇するという異常な状態を引き起こすことになります。
 ちなみに、景気が低迷したまま物価が上昇、つまり国内の通貨価値が低下していく減少を、スタグフレーションと呼びます。現在の日本は、このスタグフレーションの状況下にあるという経済学者もいるようです。
 スタグフレーションにおいては、所得が増えずに物価が上がるわけですから、実質所得が低下することになります。また、実質所得が低下するということは、つまりは日本国民が総じて貧乏へとシフトしていることになるわけです。
 極めて大きな問題であるわけですが、これを払拭できる政策を国が取ることができるかは、不透明な状況と言わざるを得ません。

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